動詞+「よ・ねぇ」


■動詞に「よ・ねぇ」で「〜できない」

 「飲みさいぐべ(行こう)」と誘われて、誘いに乗る場合は「んだな、いぐべ(いいよ、行こう)」となります。しかし、行きたくない場合は「やんだ(いやだ)」と断りますが、行きたい気持ちはあるけど、用事などがあって行けないときには「いぐよねぇ」といいます。同じ断るにしても、「やんだ」と「いぐよねぇ」の間には大きな違いがあります。
 会津弁では「動詞+よ・ねぇ」は、事情があって「〜することができない」という場合に使います。
 いってしまえば、「動詞+よ」は肯定的な状況を表しますが、それを否定語の「ねぇ(ない)」をつけることによって、自分はそうしたいのだけれど事情があってできないのだという意味を持たせています。
 「はやぐまんまけ(ご飯を早く食べなさい)」といわれて、仕事で手が離せなくて食べられないようなときは「くうよねぇ(食べられない)」といいます。こういわれると、何らかの事情ですぐに食べることができないということがわかります。
 ちなみに、食べたくないときは「くいだぐね(食べたくない)」とか「くわねぇ(食べない)」といいます。
 だから、次のような会話も成り立ちます。
 「クルマはいのみなんての駐車場さ停めろよ(クルマは家の南側の駐車場に停めなさい)」
 「とめんよねぇ(停められないよ)」
 「なんだ、満車が(どうした、満車かい?)」
 「つがう。いっぺあいでんだげんじょ、バックがでぎねぇだ(ちがうよ。駐車場はたくさん空いているんだけど、バックができないんだよ)」