助詞は「さ」を多用


■場所を示すときに「さ」を使う

 会津弁では助詞として「さ」を多く使います。
 とくに、「どこどこに(へ)行く」というときは、助詞の「に」や「へ」に代わって、ほぼ100%「さ」が使われるといっていいでしょう。

 次の例が「さ」の典型的な使い方です。
 「会社行くよ」(日本語)  「会社い(行)ぐだ」(会津弁)
 「スキーしに行こう」  「すちー(スキー)い(行)ぐべ」
 「どこ行くの?」「喜多方までラーメンを食べ行ってこようと思っている」 → 「どごい(行)ぐだ」「「ちたがだ(喜多方)ラーメン食いいってくんべど思ってんだ」
 「さ」は目的の場所に行くというときに使われます。

 ただし、場所を指すだけではありません。会津弁-日本語辞典の「さ行」でも取り上げましたが、次のようなときにも使われます。
 「君貸した1万円はいつ返してくれるの?」(日本語)  「おめぇか(貸)すたいづまんえん(1万円)、いづかえ(返)すてくれんだ」(会津弁)
 この場合は、助詞の「に」の代わりに使われています。同じような例が次の会話です。
 「玄関立っていないで、どうぞ入ってください」  「玄関立っていねであがらんしょ」
 「鍋焦がさないで」  「鍋焦がすなよ」

 このように、会津弁では助詞に「さ」を使うのが一般的です。