鼻濁音で発音する


■鼻濁音で発音する

 会津弁だけでありませんが、ズーズー弁で大切なのは「鼻濁音」で話すことです。それだけでズーズー弁らしくなってきます。
 鼻濁音とは「鼻に抜いて発音されるガ行音」のことです。つまり、「が」「ぎ」「ぐ」「げ」「ご」と発音するときは、鼻に抜いて発音するということです。

 例を取ってみましょう。まず、「画像」「鏡」と発音してみてください。「画像」の「が」と「鏡」の「が」の発音が違うことに気づきましたか。画像の「が」はアルファベットで表すと「ga」です。ところが、鏡の「が」は「nga」となります。はじめに「ん」と小さく鼻から息を抜き、続けて「が」と言葉をつなぎます。それが鼻濁音です。

 このように、鼻濁音は「ga」「gi」「gu」「ge」「go」を、それぞれ「nga」「ngi」「ngu」「nge」「ngo」というように発音します。
 定規の「ぎ」、武具の「ぐ」、嚥下の「げ」、囲碁の「ご」などは鼻濁音です。

 青森弁は「フランス語」に似ていると言われます。「が行」だけでなく、多くの濁音を鼻濁音で発音していること(鼻濁音を多用するところ)と、濁音以外にも「鼻音」で発音することが多いこと、それに独特のイントネーションが、フランス語の発音に似ているからだと思います。

 会津弁はズーズー弁の一種ですから、鼻濁音が多く使われます。青森弁と同じように、「が行」以外の濁音でも鼻濁音で発音することが多くあります。
 「せがれがとすごろ(年頃)になってちだがら、どごがにいい娘っこいねべが」(息子が年頃になってきたので、どこかにいい娘さんでもいないですかね)
 この言葉にはいくつか鼻濁音が含まれています。それは「赤文字」のところです。
 「せとすろ(年頃)になってちだら、どごがいい娘っこいねべ
 それ以外にも、緑のところは、鼻濁音気味に発音します。
 また、濁音ではありませんが、「に」も鼻から息を抜いて鼻音で発音します(『「に」を発音する』を参照)。「に」以外にも鼻音で発音するケースが多くあります。

 会津弁を流暢に話すためには、まずは鼻濁音で話すことが大切です。