は行

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はえ   早い、速い
 用語使用例:「はえ」なあ、もうにもづ(荷物)ついたのがよ(早いね、もう荷物が着いたのかい)

はがいぐ   はかどる・能率が上がる (反対語)はがいがね
 用語使用例:やっぱ、つからもず(力持ち)にてづだって(手伝って)もらうど「はがいぐ」なぁ(やっぱり力持ちに手伝ってもらうとはかどるね)

はげご、はけご   竹などで編んだかごのこと。地域によっては、腰につけるかごのことを指す
 用語使用例:小屋がら「はげご」もってこ(小屋からはけごを持ってきなさい)

ばさま  おばあさん 婆さまが訛ったもの 「ばんちゃ」ともいう

はだぐ  殴る、たたく
 用語使用例:花子、こめらのあだま「はだぐ」なよ(花子、子供の頭をたたいてはダメだよ)

はっから   早くから、早くに 「早くから」が訛ったもの
 用語使用例:「はっから」会社さいぐのが(こんなに早くから会社に行くのですか)

ばっこ   大便、うんこ 「うんこをする」は「ばっこたれる」という。「たれる」は「垂れる」と同じ意味と思われる。

はっつける   ひっぱたく
 用語使用例:ゆうごどきがねど「はっつげっぞ」(いうことを聞かないとひっぱたくよ)

ばっつ   末っ子 「末子(まっし)」が訛ったものと思われる。
 用語使用例:一太郎はおらいの「ばっつ」だ(一太郎はわが家の末っ子です)

はらくつ   お腹いっぱい
 用語使用例:「はらくつ」くてもう食えねぇ(おなかいっぱいでもう食べられない)

ばんかだ   夕方(晩方)

ばんげ   夕食 「夕餉」からきている。会津では夕方を「晩方(ばんかだ)」というので、晩方の食事ということで「晩餉」になったと思われる。
 用語使用例:これから「ばんげ」のすたぐでもすんべ(これから夕食の支度をしよう)

ばんちゃ   おばあさん 「ばさま」は「婆さま」が訛ったものだが、「ばんちゃ」は「ばあちゃん」が訛った言い方

びで   女性に対する蔑称で憎たらしい女性に対して使う 「あの女」というほどの意味

ひる(干る)   乾く 反対語は「ひ(干)ね」
 用語使用例:ちょう(今日)はてんち(天気)がいいのではやぐ(早く)「ひる」べな(今日は天気がいいので早く乾きそうだ)
 ※ここでは「ひるべな」と表記したが、話し言葉では「ひんべな」となる。「早く乾くから」は、「早くひっから」となり、ひ(干)+ら行活用で変化するわけではない

ひんのめ   午前中 「昼の前」が訛ったと思われる
 用語使用例:その荷物は「ひんのめ」にとどげでくろ(その荷物は午前中に届けてくれ)

ぶらぐ   集落 会津にかぎらず、東北地方では集落のことを「部落」という。関西で主に使われる被差別部落という意味はない

ぶんなげる   なげるの強調形
 用語使用例:す(死)んだ蛇なんかいづまでも持ってねぇではやぐ「ぶんなげて」こ(死んだ蛇なんかいつまでも持ってないで早く捨ててきなさい)

へいぜ   普段、日頃 日本語の「へいぜい」
 用語使用例:「いい体すてんな」「『へいぜ』からちた(鍛)えてっからな」(「いい体しているね」「普段から鍛えるからね」

へぇる 入る 「へぇれ」は命令形
 用語使用例:「雨降ってちたがらい(家)さ『へぇれ』」「んだな、いま『へぇる』」(「雨が降ってきたから家に入りなさい」「分かった、今入るよ」

べっけ   ビリ
 用語使用例:「おめ、校内マラソンは何番だった?」「おれどあぎら(明)で『べっけ』争いすてだ」(「君は校内マラソンは何番だった?」「ボクと明でビリ争いしてたよ」)

べご(べこ)   牛

べったら   平ら、ひらべったい 「べったらこい」となると、平らなものというように状態を表す
 用語使用例:道路さ落づでる「べったらこい」のはなんだ(道路に落ちている平たいものは何だろう)

へでなす   でたらめ、与太話、ほら話、くだらないこと
 用語使用例:いづまでも「へでなす」こいでねで仕事さ行げ(いつまでも与太話していないで仕事に行きなさい)

ほいじょ   包丁 包丁がなまったもの
 用語使用例:そっから「ほいじょ」取ってくろ(そこから包丁を取ってくれ)

ほいど   乞食

ぼっこわす   壊す、取り壊す
 用語使用例:ものおぎ古ぐなったがらぼっこわすか(物置が古くなったから取り壊そうか)

ほろぐ、ほろった   無くす、落とす、失う
 用語使用例:車のカギ「ほろっつまった」(車のカギを落としてしまった)

ほろげる   惚ける、うつろ、気がない 「惚(ほう)ける」が訛ったもの
 用語使用例:このごろしと(人)のなめぇ(名前)がでてこねぇ。「ほろげっつ」まったかな(このごろ人の名前が出てこないの。惚けちゃったかな)