
か行
かい かゆい
用語使用例:蚊にくわれっつまって「かい」な(蚊に刺されたのでかゆいよ)
かかぁ (人の)奥さん、(自分の)妻、女房
用語使用例:あんま飲むどかかぁにいさ入れでもらえねぐなるがらな(あんまり飲むと女房に家に入れてもらえなくなるからね)
かすけ ずるい、こすからい
用語使用例:割り込みすては「かすけ」べ(割り込みするのはずるいよね)
かさま おかあさん 母さまが訛ったもの
がすもぐ ガラクタ
用語使用例:おやず(親父)は骨董あづめ(集め)でるっていってんだげんじょ、おれがみだどごだど「がすもぐ」ばっかだな(親父は骨董集めていると言っているけど、ボクが見たところガラクタばかりだね〉
かせぐ 働く、儲ける 儲けるというよりは「働く」という意味合いの方が強い
用語使用例:おめどごのむすこ(息子)はよぐ「かぜぐ」なぁ(あなたの息子さんはよく働きますね)
かぜる 数える(数えるが訛ったもの)、愚痴を言う(何度も同じ愚痴をいうときに使う)
用語使用例:悔すがらって、なんべん「かぜでも」しょうがあんめぇ(悔しいからって愚痴を何回も繰り返してもしょうがないだろう)
かたる(かだる) 話す、嘘を言う、騙す、愚痴をこぼす どちらかというと、「かたってんるでねぇ」というように否定的に使われて、「嘘を言うんじゃないよ」「言いたい放題いうんじゃないよ」という意味で使われることが多い。
用語使用例:「いずろ(一郎)あんつあが酔っ払って側溝さお(落)づっつまったって聞いたぞ」「『かだってんでねぇ。』そりゃおめだべ」(一郎さんが酔っ払って側溝に落ちたそうですよ」「嘘つくんじゃない。それは君だろ」
かなねぇ かなわない 「かなわない」が訛ったもの
用語使用例:おめぇにはかなねぇな(君にはかなわないね)
がなる 大声を出す、大声で叫ぶ
用語使用例:そんなに「がなって」るとのど嗄れっぞ(そんなに大声を出しているとのどが嗄れるよ)
かね 食べない、食べたくない 「くわない」が訛ったもの
用語使用例:「早ぐつうはん(昼飯)食っつまえ」「かね」(「早く昼ご飯を食べてしまいなさい」「食べたくない」)
かんます(かます) かき混ぜる
用語使用例:なべ(鍋)さこ(焦)がさねようにへらで「かんます」(鍋を焦がさないようにへらでかき混ぜます)
かまな かまうな、放っておけ 「かまうな」が訛ったもの
用語使用例:「五郎はまだ寝でんのが。起ごしてくっか」「『かまな』。まだ寝せでおげ」(「五郎はまだ寝てるの? 起こしてこようか」「かまわなくていいよ。まだ寝せておきなさい」
かめる 人見知りする(子どもに使う) 人見知るする子どものことを「かめっこ」と言う
用語使用例:あら、この子はあんまり「かめね」なあ(あら、この子はあまり人見知りしないね)
かんずげる(かずける) 人のせいにする、かこつける
用語使用例:わがのせいでちしゃ(汽車)に乗りおぐれだのに、人さ「かんずげんでね」(自分のせいで汽車に乗り遅れたのに、人のせいにしちゃだめだよ)
きかね 気が強い
用語使用例:なんだって「きかね」娘だごど(この子はなんと気の強い娘でしょ)
ぎっちょ 左利き
きめる すねる、いじける
用語使用例:いづまで「きめ」でんだ(いつまですねているの)
きへぇわり 気持ちが悪い、気味が悪い
用語使用例:朝がらそんなはなす(話)ち(聞)ぐど「きへぇわり」ごど(朝からそんな話を聞くと気持ち悪くなるな)
きんな 昨日 発音は「きんな」というよりは「ちんな」に近い
用語使用例:おめ、「きんな」どごさいだだ(君は昨日どこにいたの)
くぅ 食べる
用語使用例:「けーち(ケーキ)かねのが」「『くぅ』」(「ケーキ食べないの?」「食べるよ」)
くたびっちゃ 疲れた、くたびれた
用語使用例:とす(歳)のせいがちょびっと動いただけだげんじょ「くたびっちゃ」な(歳のせいか少し動いただけなのに疲れてしまったよ)
くたまにすね 苦にしない、気にならない ※苦にする場合は日本語と同じで普通に「苦にする」となる
用語使用例:孝雄は体がおっきいがら米一俵はご(運)ぶごどなんか「くたまにすね」な(孝雄は体が大きいので米一俵運ぶのは苦にしないね)
くべる (木などを)燃やす
用語使用例:まっと木(ち)くべねど家(うづ)の中(なが)あったまんねぇべ(もっと木を燃やさないと家の中が暖まらないよ)
くらつける 殴る
用語使用例:わりごどすてあんちゃに「くらつけらっちゃ」(悪いことしてお兄さんに殴られた)
くろ(くんつぇ・くなんしょ) ちょうだい、ください 動詞が前にくると(〜して)くださいとなる
用語使用例1:おっきぐなったらその時計、おれさ「くんつぇ」(大きくなったら、その時計をボクにちょうだい)「くれっから」だいずにすろや(あげるから大事にしなさい)
用語使用例2:小屋のなだ(ナタ)持ってちて「くろ」(小屋にあるナタを持ってきてくれ)
※会津語では、「を」「に」などの助詞を省く傾向が強い。一般的には「なたを持ってきて」というが、会津語では「なだもってちて」と助詞を省く
くれる あげる 用語使用例は「くろ」の項の1を参照のこと
くわれる (虫に)刺される ちなみに、東日本では「食われる」で、西日本は「刺される」というのが一般的らしい
用語使用例:すげみ(茂み)さい(行)ったら蚊に「くわれっつまった」(茂みに行ったら蚊に刺されてしまった)
けぇ 食べなさい 日本一短い会話として青森弁の「け」「く」(「食べなさい」「食べる」)が有名だが、東北地方ではたいていの地域でこの会話は成り立つ。なお、食べないというときは「かね」という。
けぇー かゆい 食べるを意味する「けぇ」よりも少し語尾を伸ばし気味にする
用語使用例:せなが(背中)「けぇー」がらかいでくろ(背中がかゆいから掻いて)
げす お尻 「げすつ(着)く」というと座るという意味になる
用語使用例:「まぁ、『げす』つ(着)かんしょ」(まぁ、座って下さい)
けとばす(けっとばす) 馬 そこから馬肉、馬刺しの意味もある 会津には馬肉の専門店がごくふつうにあり、スーパーでもあたりまえのように馬刺しを売っている。会津は隠れた「馬刺し王国」。
げっぺ ビリ、最下位
用語使用例:「ただす(正)は数学のせいせぎ(成績)がまた『げっぺ』だど」(正は数学の成績がまたビリだってさ)
けっぽる 蹴る
用語使用例:そだらに壁 「けっぽたら」ぼっこわれっつまうべ(そんなに壁を蹴ったら壊れてしまうよ)
(動詞)+げんじょ けれども 「〜だげんじょ」というように、動詞につなげて「〜だけれども」と言うときに使う
用語使用例:でがげ(出掛け)でぇんだ「げんじょ」も、車修理さ出すてるがらでがげらんにぃ(出掛けたいけれど、車を修理に出しているので出掛けられないんだ)
こ 来い、来なさい
用語使用例:そっつさ行ぐど邪魔になっからこっちゃ「こ」(そっちに行くと邪魔になるからこっちへ来なさい)
(動詞)+こ 〜してきなさい 目下の者にあることをやらせるときに使う
用語使用例1:回覧板となりさお(置)いでこ(回覧板を隣に置いてきなさい)
用語使用例2:冷蔵庫からビールもってこ(冷蔵庫からビールを持ってきなさい)
用語使用例3:こっちゃこ(こっちに来なさい、こっちにおいでよ))
こぐ (前に名詞などがついてそれを受けた形で)言う・する 「告」が訛ったものか
用語使用例:うそ「こぐ」な(嘘つくな)(なお、会津では「屁を放る(おならをする)」を「屁をこぐ」という)
ごずらごずら(ごんずらごんずら) 食べ物が堅くてなかなかかみ切れないときにいう言葉
こせる・こしゃえる 作る・こしらえる 「こしらえる」が訛ったと思われる
用語使用例:このテーブルはおめが「こしぇ」だのが(このテーブルは君がつくったのかい)
こしゃう 作る
用語使用例:太郎は器用(ちよう)に水鉄砲を「こしゃう」な(太郎は器用に水鉄砲を作るね)
ごしゃげる 腹が立つ、腹立たしい 会津弁では「腹が立つ」という意味だが、山形の村山地方ではこれが「怒る」という意味になる。
用語使用例:うそばっかこいで「ごしゃげんなぁ」(嘘ばかり言って腹立たしいな)
こちょびて くすぐったい、こそばゆい
こっちゃこ こっちへ来なさい、こっちにおいで (用語使用例は上の(動詞+こ)の項目を参照)
ごっつぉ ごちそう 「ごっつぉさま」は「ごちそうさま」の意味
用語使用例:今日(ちょう)は一郎(いづろ)の誕生日だがら「ごっつぉ」がいっぺだな(今日は一郎の誕生日だからごちそうがたくさんだね)
こびる (主に農作業をしているとき)昼食前の10時頃に食べるおやつ、間食 昼前に小腹を満たすので「こびる」(小昼)になったのだろうか。
用語使用例:美佐子さが「こびる」持ってきたがらひと休みすんべ(美佐子さんがおやつ持ってきたからひと休みしましょう)
※人の名前に続けて「さ」というと、「〜さん」という意味。ただし、男性の名前に「さ」はつけない。男性の場合は「あんつぁ」となる
こまい(こめぇ、こんめぇ) 小さい、細かい
用語使用例:こどす(今年)のちうり(キュウリ)は「こんまく」てなぁ(今年のキュウリは小さくてね)
こめら 子ども、子どもたち(複数形)
用語使用例:道路さ「こめら」が飛び出てくっからちー(気)つけて運転すろよ(道路に子どもが飛び出してくることがあるから気をつけて運転しなさい)
こらんしょ いらっしゃい、来てください
用語使用例:そったらどごさいねで、こっちゃ「こらんしょ」(そんなところにいないで、こっちにいらっしゃいよ)
こわい(こえ) 疲れる
用語使用例:まだはずごうめ(八合目)だげんじょ「こえ」なぁ(まだ八合目けど、疲れたな)
ごんぼ ごぼう(野菜)