留守番


■母と子の留守番の攻防

〔会津弁〕
母「スーパーさい(行)ってくっがら留守番すててくろ」
子「やんだ。オレもい(行)ぎで」
母「すぐ帰ってくっから」
子「やんだ」
母「留守番すてくれだらみやげにチョコレート買ってちてやっから」
子「んだら、チョコレートいらねがら、漫画買ってちてくろ」
母「しょうがねな。んじゃ、漫画買ってくっからおどなすぐ留守番すてんだぞ」
子「わがった」

〔日本語訳〕
母「スーパーに買い物に行ってくるから留守番しててちょうだい」
子「いやだ。ボクも行きたい」
母「すぐに帰ってくるわよ」
子「いやだ」
母「留守番してくれたらおみやげにチョコレート買ってきてあげるから」
子「それなら、チョコレートはいらないから漫画買ってきて」
母「しょうがないわね。それじゃ、漫画買ってくるからおとなしく留守番しててね」
子「分かった」

〔解説〕
 この会話では、お願いするときの「〜(して)くろ」という表現と、「ん」で始まる言葉の使い方をおぼえてください。
 会津では、「〜してちょうだい」というときに、言葉の最後に「くろ」をつけます。ここでは「留守番すててくろ」「買ってちてくろ」がそれです。親子なのでどっちも「くろ」といっていますが、これが他人になると、目上の者は「くろ」といいますが、目下の者は「くなんしょ」「くんつぇ」に変わります。本来なら、子供は「漫画買ってちてくんつぇ」といわなければなりません。
 「ん」で始まる言葉は、「うん」「ううん」など同意・不同意を表すときに使われることが多いが、「んだら」「んじゃ」は同意・不同意以外の意味で使われる。